実習修了

本日を以って5日間の介護実習を修了してきました!


とりあえず疲れた。。。やっぱり健康な人ばっかりが集まってるわけじゃないから、お手洗い一つをとっても目を話せないわけです。基本的に一日中気を張ってなくっちゃならない仕事だから、それが終わったときにはふっと糸が切れたように疲れが押し寄せてくるんです。


でも全体としては楽しかったぁ。頭のしっかりしてらっしゃる利用者さんも多かったし、レクレーションなんかは自分が一番楽しんでるんじゃないかってくらい楽しんでたし^^特に印象に残ってる会話は「お嫁さんの選び方」ってやつ。実体験が豊富に含まれたアドバイスだったからためになりました(*^-^*)


でもデイケアっていうのはそもそも、比較的必要な介護の量が少ない人が利用するから楽ではあるんだよね。トイレで用を足せないとか、寝たきりになっちゃうってなるともうデイケアは利用できないだろうから。


話をがらりと変えていきます。


この5日間の学びの中で一番大きかったものは
『福祉という分野は生産性という視点で捉えてはいけないんじゃないか?』
ということ。


俺は物理を学んでいるわけで、進む道としては研究者だったり、企業に勤めたり、もとからの目標だった教師になることだって可能なわけです。しかしどの進路を描く上でも俺の根底にあったのは『生産性の向上』という視点でした。


つまり少ない投資で、大きな利益を得るために効率化を図るということ。特に俺たちが意識しなくてはならないのが「時間」という資本。これを有効活用して大きな成果を出さないことには、現代の激しい生存競争は生き抜けない。


社会ってやつを覗いてみるとそういう風に考えて生きていかないとダメなんじゃないかって思いました。


でも少なくとも福祉の現場はそうであってはならない。時間を節約するために生産性の向上ばかりを見ていてはダメなんです。


生産性を上げるためにヘルパーは何をしてしまうのか?体の悪い方に自分で体を洗わせたり、のんびり風呂に入ってもらうのは時間がかかって仕方ないから、こっちで最初から最後まで洗って、リフトに乗せて入浴を済ませてしまう。固まってしまった手でご飯を食べるのは時間がかかるから、こちらでぽんぽん口に放り込んでいく。


これでは利用者さんが日常必要とする能力を奪っていくことに繋がってしまいます。誰かに依存して生きていくしかなくなり、自立した生活を送れなくなるのです。


だからこそ福祉の現場では時間がかかります。労力が掛かります。


それなのに、上に見ていった「生産性の向上」という視点しか持ち合わせていない人には、「のんびり、手を抜いてやりやがって。年寄りにペースに合わせてたら日が暮れちまうっての。今払ってる介護保険料返せ」ってなことを言いかねません。その証拠が福祉に従事する職員さんの給料の悪さから分かります。正直コンビニの深夜バイトをやってるのと大差ないと思いますよ。


もし日本がこのままの経済水準を維持したまま、超高齢化社会に突入すると言うなら、早急に視点を変えなくてはなりません。


少子高齢化に伴い、労働力人口は少なくなる一方であるのに、知識労働者は他国に対抗するためにもますます生産性を上げ、さらに人数を増やしていかざるを得ないでしょう。しかし、高齢者の生活の質を保障するためにも、福祉に従事する労働力も増やしていかねばなりません。


俺みたいな素人が考えても(素人が考えたから?)今の経済状態は続かないように思えてなりません。


じゃあ具体的にどういう世の中を作っていけばよいのか?そんなことは俺にはわかりません。しかし、俺たちの世代が解決すべき課題であろうとは思います。


だから俺はこうします。


少なくとも福祉の現場と物理の現場、この2つの現場で最前線を追っていけるような基礎知識を身につけた上で、上に挙げた課題をさらに明確なものとしながら、同世代の人間はもちろん、次の世代の子どもたちとその課題を共有していけたらと思います。


なぜ物理をする必要があるかと言えば、それらが全くと言っていいほど接点を持ち合わせていないからです。俺はそこに小さくてもいいからブレークスルーを作っていきたい。


以上、介護体験を通じて思ったことです。文章にするとうまくまとまらないもんですね^^;