カルラの歌

という映画を見ました。涙が出てくるようなものとは違った、見る人の心を爽やかにしてくれる、そんな種類の感動を与えてくれる映画でした。


主人公はイギリス在住のバスのうんちゃん。ある日無賃乗車の女の人を助けるところから物語が始まります。


その人はニカラグアの人なんで、うんちゃんは一緒にニカラグアに行ってしまうわけですが、内戦中なもんでいろいろあるわけです。


詰まるところ、この映画は「戦争って嫌なもんだ」ということで話は終わるわけですが、戦争を題材にした他の映画と違うのは、後味がいいってことなんです。


戦争映画やホラー映画っていうのは、ある意味「見てる人を気持ち悪くしたら勝ち」みたいなものがあって、実際戦争映画の場合はそういう印象を与えることで、見ている人に対して「無条件に戦争は悪い」という気持ちを起こさせることができるます。


この映画も確かに襲撃シーンなんかは気分が悪くなるのですが、他の映画と違うのは特別な映像効果を使わないこと。そのおかげで後味がいい。


よく人が撃たれるシーンとかでスローになったり、暗示的なシーンを埋め込んだりして恐怖感を煽ったりしますが、そういう特別なものはなく、むしろ丁寧に、ありのままに主人公たちを追いかけている。


それがかえって「リアル」な印象を与えてくれ、ナチュラルに作品に引き込んでくれた要因だと思います。


つい長々と書いてしまいましたね。


最後にこれだけは書いておきたいのですが、この映画の中で特に多く描かれていたのは、混乱の中でも明るく、思いやりを持って生きていこうとする人たちです。


この人たちをみて温かい心になったのはもちろんのこと、改めて「生活の豊かさ」と「心の豊かさ」について考えさせられました。


そして私は「心の豊かさ」について追求したいから、高齢者介護という道を選ぼうとしているのだな、と思い至りました。


とても示唆に富み、また爽やかな感動を与えてくれる映画だと思いますので、みなさんもぜひご覧になってください。お薦めです。