光のあるうちに。。。

トルストイ「光あるうちに光の中を歩め」(岩波文庫
ブックオフで衝動買いしてきました。


そして衝動的に読み終えました。


読んでて思ったのは、原始キリスト教に則った生活がこの本に描かれているようなものだとしたら、
それは限りなく原始共産制に近いものだということです。


1.私的財産を否定する一方で、共同体の財を共有する(財を放棄するところまでが原始キリスト教の教えであると考えている主人公の一人、ユリウス(世俗人)はここに一つの疑問を持っている)

2.農業主体の自給自足型の共同体


簡単にまとめるとこんなところでしょうか。


詳しいことは気が向いた時に改めてアップしようと思いますが、
この本を読みながら一貫して感じていたことがあります。
それは、「原始キリスト教的な生き方に近いものを自分が指向していること」です。


その態度の一つが「必要以上を求めない」ということ。


これには二つの意味があります。
1.必要以上の施しを他者から求めない。
2.必要以上のものを持ってしまったときに、
余剰となった分を他者に与える。


本文にもありますが、これ以上何の幸せを望むというのか?
っていう感覚が最近体を支配しているので、
俗世間を離れたようなことを言ってますが、
事実そんな気分です。


と思うと同時に、この本に出てきた原始キリスト教的な考え方で世の中がうまくいくとも考えられないので、
この思想の何がよくて何が悪いか、もっと厳密に考察してみたいなと思いました。


そういった意味で、この本は人生の一つの指針となりうる存在です。
今後読み返すたびに解釈は異なっていくでしょうし、
その時に自分がよいと思える生き方を見つめ直す、
いいきっかけとなる本となるでしょう。